5月中旬。
道端には様々な種類の野の花が咲き乱れ、野鳥が忙しなく動き回り、鮮やかな新緑が美しい季節。
その年の気温や天候にも左右されるが、例年だと5月第3週目頃にはエゾハルゼミの羽化が始まる。
山岳渓流一帯にセミたちの賑やかな大合唱が響き渡る時期になると、北海道の短い夏が始まったことを実感する。
[夏シーズン前半(概ね5月中旬~6月下旬頃) ガイド推奨コース]
・"3.Upper reaches / Mountain Stream Rainbow Trout"
・"4.Monster Brown Trout"
・"6.Float Tube Fishing"
ゴールデンウィーク前後からシーズン開始となる上流域・山岳渓流のコース。
5月中旬~下旬頃に少しずつ雪代が落ち着き始め、ドライフライフィッシングのハイシーズンに突入する。
クリアウォーター山岳渓流の醍醐味は、何と言っても大型トラウトがフライを捕食するまでの一部始終を目の当たりにできるサイトフィッシング。
特に5月下旬~6月中旬の時期は、産卵明けで捕食効率の良いエサを渇望するトラウトたちが、エゾハルゼミなどの大型陸生昆虫をアグレッシブに追い求める時期。
ドライフライで大型のレインボートラウトを狙うには、絶好のチャンスタイムと言える。
ブラウントラウトフィッシングも、例年5月下旬もしくは6月上旬頃から一気にハイシーズンに突入する。
大型レインボー狙いと同様、ブラウントラウトもエゾハルゼミなどの大型陸生昆虫を意識したドライフライフィッシングがメイン。
ただし、ブラウントラウトはレインボートラウトと全く異なる性質の鱒であることを理解し、的確なアプローチを心掛けない限り、そう多くのチャンスは巡ってこない。
そして、それこそがブラウントラウトフィッシングの醍醐味とも言える。
一部河川のごく限られた区間では、稀に「居着き(Residential)」タイプではなく、「降海型(Searun)(?)」と思われるような個体に巡り逢うチャンスもある。
この1尾は、2022年6月に大型ドライフライでキャッチした70cm程度のブラウントラウト。
ブラウントラウトでこのサイズは決して珍しくないが、居着き系とは明らかに一線を画する色合いと外観。
個人的に、少しだけロマンを感じてしまう邂逅の瞬間だった。
最後に、6月上旬頃から特にオススメしたいのが止水でのフロートチューブフィッシング。
今まで一度もフロートチューブの釣りを経験したことが無い方は特に、是非チャレンジしていただきたいコース。
通常のゴムボートやカヌー等と比較して、フロートチューブはトラウトたちに過度な警戒心を与えない。
そのため、比較的ライズに接近しやすいという特性があり、ロングキャストが苦手な初心者の方でも十分楽しめる。
特に初夏の数週間、モンカゲロウの大量ハッチに始まり、数種類のカディスや陸生昆虫の発生に伴うライズ天国の期間は、最高に楽しいと毎年繰り返し思う。
日中は、フロートチューブでのんびりドライフライの釣りを堪能し、夕方からは川の近くでキャンプ。
そんな贅沢な時間が過ごせるのも、日が長いこの季節ならではの楽しみ方だと思う。
<フォトギャラリー>
Upper reaches/Mountain Stream Rainbow Trout
https://rainbow-hunting.com/tp_list.php?wv_key=Upper+reaches%2FMountain+Stream
Monster Brown Trout
https://rainbow-hunting.com/tp_list.php?wv_key=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%88